2013/07/16

『とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』コミカライズ版(#06「始まりの歌」)

前回のあらすじ。
土御門とねーちんにアリサが狙われる理由を聞いた上条さん。アリサは科学サイドから見れば『奇蹟を起こす存在』として認識されていますが、魔術サイドからすれば、彼女は聖人の疑いがあるということで、科学・魔術両サイドから狙われているということでした。
そして、アリサを巡る、科学と魔術の戦いが再び繰り広げられ、魔術サイドはアリサの確保に成功しますが最後は科学サイドによって足止めを食らい、アリサ確保のために動き出すシャットアウラさんですが、「ある物」を目にし、驚愕の表情を浮かべながらも能力を使ってその場から姿を消しました。
7月12日に発売された少年ガンガン8月号。そして同誌にて連載中の『とある魔術の禁書目録 エンデュミオンの奇蹟』コミカライズ版の感想です。ネタバレ注意。




今月号は巻頭カラーということでどのようになるか期待していましたが、予想以上に良い巻頭カラーでした。
『奇蹟はもう、始まっている。』。キャッチコピーとイラストが「二人は同一人物」というのを表すような感じですね。

レディリーに「その娘(こ)を私のところに連れて来て」ということでアリサを確保し、レディリーの元へと連れて行ったシャットアウラさん。
アリサを確保する前に彼女が持っていた『割れたオリオン座のブレスレット』を見て「もしや…」と思ったのか、彼女の元に置かれていた「もう片方の割れたオリオン座のブレスレット」を、シャットアウラさんが持っていたものと合わせる……そしてピッタリ合ってしまいました。

このブレスレットはオリオン号の試験飛行の際に配られたノベルティグッズ(劇場パンフレット参照)で、これだけでも十分希少な物になります。
しかし、『割れた物』はそれよりも更に希少な物になるので、シャットアウラさんはこれを見た時にすぐにピンときたわけですね。無くしたと思っていたもう片方を、アリサが持っていたことに驚きながらも戸惑いを抱く複雑な心境が表情に表れています。
「やっぱりあなた達は引き合ってしまうのね」

シャットアウラさんとアリサの元へと現れたレディリー。何とオリオン号事件の真相を話し始めます。
『88の奇蹟』と呼ばれたオリオン号事件ですが、一人だけ死亡者がいました。
オリオン号の機長であり、シャットアウラさんの父親であったディダロス=セクウェンツィアです。
しかし、世界は『奇蹟』に湧き、父親の死が隠蔽されたことによってシャットアウラさんは『奇蹟』を憎むようになってしまいました。
そしてアリサは、88人しかいないオリオン号の機体に突如として現れた存在であることが判明。
追い打ちをかけるように判明していくオリオン号事件の真相。更にこの事故自体、意図的に仕組まれたものであり、これを仕組んだのはレディリーであることも判明。
つまり、シャットアウラさんにとってレディリーは父親の仇にあたり、今まで自分はずっとレディリーに利用されていたことを知り、遂にシャットアウラさんは激昂。普段は感情を表に出すことが少ない彼女ですが、怒りを露わにした表情で突っ込み、レディリーをナイフで刺しました
そしてもの凄い表情で倒れるレディリー。返り血を浴びるシャットアウラさん。
今回の鳥肌その1。ここのシーンは何度観てもゾクゾクします。
何度か読み返して、今月号はシャットアウラさんとレディリーの表情の描写が凄いと改めて思いました。

しかしそこに自動人形が現れ、シャットアウラさんはナイフを構えますが、レディリーが何も無かったかのように起き上がります。そして実はレディリーは「不死」の存在でした。起き上がった時の表情が狂気じみててとにかくやばい。鳥肌立ちまくりです。

ナイフで刺されるのは16回目と言い、レディリーは「不死」ですが宇宙からなら死ねるかもしれないと思い付き、実験のためにオリオン号に搭乗し、事故を起こしましたが失敗、更に本当は全員死ぬはずだった事故で、レディリーは「存在しないはずの89人目」であったアリサを「副産物」として得ており、この実験はある意味成功と言えるようです。

今まで散々な目に遭ってきたようで、「痛くて苦しい」ようで…不死でも痛覚があるというのは辛いどころの話じゃないですね…。
「…貴様が何者でも何を企んでいても絶対に潰してやる…絶対にだ!!」

シャットアウラさんの決意の発言を聞いても余裕の表情を浮かべるレディリーですが、この発言が後に現実になることを今の二人は知る由もありません。
そしてシャットアウラさんは自動人形によって捕えられ、幽閉されてしまいます。


エンデュミオンの完成が遂に明日となり、完成披露式典で式典の招待客が続々とエンデュミオンの中へと入っていく中、上条さんはシャットアウラさんが姿を消す時に能力で吹っ飛ばされたので、全身に大火傷を負い、カエル顔の医者の病院に入院しました。
インデックスによるとアリサは帰っておらず、美琴も佐天さんから電話でアリサが浚われたことを知り(前話参照)、あちこち当たってくれていたようですが見つからず…
そんな中、上条さんの病室に現れたのは土御門とステイル。
必要悪の教会(ネセサリウス)から詳細な報告書が届いたようで、今回の事件の黒幕がレディリーであり、更にはステイル達と同じく魔術サイドの人間であることが判明しました。
何故レディリーが今回の事件を起こしたのかまでは現時点では分からないようですが、レディリーはアリサを核にして術式を構成しようとしているらしく、実行されれば北半球が全滅するクラスの超特大魔術のようです。

そして話はこれだけではありませんでした。
ここは魔術サイドと科学サイドに分けてまとめたいと思います。

魔術サイド
  • 「核」をエンデュミオンごと破壊するつもりでいるようで、そのような事をすれば間違いなく全面戦争になる
科学サイド
  • 戦争を避けるため、「関係者」だけを始末する方向で話が進んでいる
両サイドの結論は一部違いますが、合致しているところはアリサを殺すことで今回の事件を終結することです。
その話を聞いた上条さんは当然、反論します。
夢に向かって一生懸命努力して、上条さんにとって「友人」とまで呼べる存在になったアリサがどうして北半球をぶっ壊す悪者扱いされなければならないのか、と。

時間の猶予も殆ど無く、上条さんは両サイドに任せていてもアリサが殺されることに変わりはないと判断し、大怪我しているにも関わらず行動を開始します。カッコ良いです。
そして土御門は、上条さんの性格からそのような答えを出すと分かっていたので既に準備をしてくれていたようです。
自動人形によって幽閉されてからどのくらいの時間が経過したのかは分かりませんが、クロウ7によって助けられたシャットアウラさん。
「雇い主(レディリー)」が私を閉じ込めておけと命じたはずなのに何故助けに来たのか疑問を抱くシャットアウラさんですが、電撃PlayStationの鎌池氏のインタビューでもあった通り、黒鴉部隊の隊員達は皆、学園都市の治安を正確に守るシャットアウラさんに惚れこんで入隊した者達なので、例えレディリーがそのように命じてきても最後にはレディリーに離反したんですね。

「自分に指示できるのはただ一人、リーダー! あなただけです」

今回の鳥肌その2。
カッコ良すぎだろクロウ7。名言すぎる。更にここの台詞をカットした劇場版…何故カットした。

その言葉を受け止め、いつものように命令したシャットアウラさん。
現時点での状況は以下のようになっているようです。

  • レディリー達は既に宇宙へと向かった
  • 黒鴉部隊はシステムへの侵入に成功、エンデュミオンの搭乗入口を全て閉鎖し、更には駆動兵器によって人々を近付けさせない為にエンデュミオン周辺は既に制圧
  • 異変を察知した警備員(アンチスキル)がエンデュミオンへと向かっている
  • 上(エンデュミオンの中継ステーション)へ行く準備も既に完了

劇場版ではこのような描写が殆ど無かったので理解し難かったのですが、コミカライズ版は全て描かれていたのですぐに理解することができました。
だから警備員がエンデュミオンへと向かっていたんだな、とか、あの駆動兵器は黒鴉部隊のやつだったんだ、とかですね。

専用の装備でエンデュミオンの中継ステーションへと向かうシャットアウラさん。
しかし、この装備でもシャットアウラさんの身体がもつかどうか不安になるクロウ7ですが、


「もたせてみせるさ」

今回の鳥肌その3。シャットアウラさんイケメンすぎるだろ…
決着をつけに行くため、一人で宇宙へと向かうシャットアウラさん。隊員達には制御センターを掌握し続けろと言い、更にはこの後は一人も上にあげるなと命じます。
レディリーが黒幕ということは隊員達も既に知っているでしょうから、シャットアウラさんは恐らく隊員達の身を心配してたんじゃないかと思いました。
隊員達がシャットアウラさんに惚れて入隊する気持ちも分かる気がします。自分も、改めてシャットアウラさんに惚れました。
シャットアウラさんが宇宙へと飛び立った丁度その頃、宇宙にいたアリサはレディリーに言われた「お願い」と上条さんに言われたことを思い出していました。
レディリーのお願いというのは、レディリーの為に「奇蹟の歌」を歌ってくれないかお願いされていました。ですが、それと同時に思い出していたのは上条さんと噴水のところで話していたこと。
奇蹟があるのなら、そもそも事件は起こらないんじゃないか。自分が歌うことで、また誰かが傷付くのではないか。
複雑な心境の中、遂にアリサは歌うことを決意します。

「それは私の夢の為でも、レディリーの夢の為でもなく、私の歌を純粋に楽しんでくれる皆の為に歌う」、と。
そしてエンデュミオンにてアリサのライブが始まると同時に警備員は黒鴉部隊の駆動兵器に攻撃を仕掛け
上条さん達はバリスティックスライダーを使って宇宙へと飛び立ち
ステイルと弟子達3人は今から宇宙に行くのは難しいと考え、上条さん達が有利に働くように出来る限りのことをしようと、エンデュミオンの地下にて破壊工作を行うため、それぞれ行動を開始します。
今回の鳥肌その4。ここのレディリーの表情やばすぎるだろ…www
今回の事件の黒幕ということで、狂気じみた良い表情してます。
アリサの歌を利用し、術式を構築して超特大魔術を発動させようとするところで今回は終了。

今回は一言で言うと鳥肌回でした。巻頭カラーも自分の予想以上で素晴らしかったですし、来月号は巻中カラーらしいので楽しみでしょうがないです。
しかし、こんなに巻中や巻頭カラーが続くということは本当に人気なんだろうと改めて思いました。

ちなみに単行本第1巻の発売が8月22日→27日に変更になりましたが次の日がエンデュミオンのBD&DVD発売日なので楽しみすぎます。今年の夏は沢山楽しみがあるので嬉しいですね。

コミカライズ版も終盤の方に突入していますが来月号も期待です。ではまたー。

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